2010年4月10日土曜日

谷原章介 「役者スイッチ入った!!谷原の変身前と後」


谷原章介 「役者スイッチ入った!!谷原の変身前と後」

イラスト:中村剛
 とにかく、悪く言う者がいないのである。谷原章介を取材した編集者女史も、個人的につきあいがあるイラストレーター氏も、みんな口をそろえて「いい人だよー!」

 性格が悪い私は、ひとつくらい何か突っ込みどころはないかと手ぐすねひいてインタビューに向かったのだが、実際、人柄はよく、話は面白く、声がはっきり(これ、インタビューのときはすごく助かる)で、変なところに力を入れていた私は、心の中でかっくんとなってしまった。

 モデルから人気俳優にという足跡は、いまや王道だが、私が最初に「谷原」の名前をくっきり記憶したのは、「徹子の部屋」(テレビ朝日系)だった。「今日はとても素敵な方がいらっしゃってます!!」と、いつもよりハイテンション気味な徹子様。その理由は、谷原章介がコレクションしているというテディベアを持参していたからだった。目を輝かせてクマさんについて語る徹子&章介。「徹子の部屋」には、動物話が出ると室温が一度くらい上がる法則(私が発見)があるが、それはぬいぐるみにも当てはまるのだと証明された瞬間だった。

 そんな人柄もよく、クマにも詳しい谷原章介には、「役者スイッチ」が入って変身する瞬間がある。
変身するとどうなるか?

 ズバリ、「思っててもなかなかいいにくいことを笑顔で言い切る男」になるのである。

 3月まで放送されていた「曲げられない女」(日本テレビ系)。
ここで谷原は、ハンサムな警察署長として官僚の道を驀進する二枚目男。遊ぶ美女には不自由しないし、未来はピカピカ輝いている。
それが司法試験に9年も落ち続けても、ひたすら弁護士を目指す「曲げられない女」に出会って、好きになってしまう。
その相手に告白する言葉が

バカで頑固で、面倒くさくて、おまけにずれてるフンコロガシみたいなお前が好きだ!

なのである。
 警察署長を辞めて、高齢者施設の料理人になっても、居並ぶ高齢者たちに

殺したい相手がいたら、毒入りスープでも作りますから! 冗談ですよ!!」

と最高のスマイル。こういう役が本当にうまい。

 だから、「王様のブランチ」(TBS系)で、優香とともに人柄のよさいっぱいのさわやかさで司会しているとき、私はつい、期待してしまう。「ここで役者スイッチが入って、『それはフンコロガシみたいですねー』とか、言ってほしい!!」一度でいいですから。他の人にはできない技だし。




 谷原章介 有名人プロフィール



ペリー荻野 プロフィール
TV業界に精通するコラム二ストであり、女流時代劇研究家でもある。週刊ポスト、読売新聞、中日新聞、月刊サーカス、CMフォト、ESSE、スカパー!などに連載中。また、著作としては、「紋次郎も鬼平も犬神家もこうしてできた」「ちょんまげだけが人生さ」など多数出版。

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